【初心者向け】不動産クラウドファンディングの始め方(登録編)!審査の流れと素朴な疑問にお答えします

監修:竹馬由夏(不動産クラウドファンディング協会(RCA)運営委員長)
執筆:小林祐司(HP運用担当)

【初心者向け】不動産クラウドファンディングの始め方(登録編)!審査の流れと素朴な疑問にお答えします

「不動産クラウドファンディングに興味はあるけれど、登録手続きが面倒そう…」
「会員登録で、年収や投資経験まで詳しく聞かれるのはなぜ?」
「登録した途端に、しつこい電話勧誘がかかってくるのでは…?」

少額から手軽に不動産投資ができると話題の不動産クラウドファンディングですが、いざ登録しようとすると、入力項目の多さや手続きに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

皆様、はじめまして!一般社団法人 不動産クラウドファンディング協会(RCA)のホームページ運用を担当することになりました、小林です。

私が不動産クラウドファンディングに興味を持ったのは、HPを作成したり運用したりする中で、協会の方から「投資家保護(優先劣後出資など)」の仕組みを色々と伺ったのがきっかけです。

知人から株やFXで「失敗した」という話を聞くことがあったので、投資にはあまり積極的ではありませんでした。失敗談でよく聞くのが、「株価や円相場などが気になってスマホを手放せなくなってしまう」、「素人考えで動かしすぎて失敗する」という話でした。

不動産クラウドファンディングは、一度投資をしたら決まった期間「待つだけ」なので、私のような初心者向けだなと感じたんです。

しかも、今は身近にいる協会のプロたちに直接いろいろ聞ける大チャンス!ということで、私自身が実際に不動産クラウドファンディングに挑戦し、皆様の参考になるようレポートをまとめていくことにいたしました。

不動産クラウドファンディングは、株式のように「買いたい時にいつでも買える」わけではありません。人気のファンドは、一般公開される前に「事前登録している会員向けのメール案内」だけで枠が埋まってしまうことが多いです。

興味を持ったらまずは登録ということで、今回は登録についてご紹介します。

スマホからのオンライン本人確認(eKYC)なら、登録完了までは10分程度。審査も事業者によりますが2〜3営業日ほどで完了します。「良さそうな物件が出たら登録しよう」と後回しにすると、気になるファンドの募集に間に合わないことがあります。

それでは、クラファン初心者の私が実際に登録して感じた「リアルな疑問」と、協会ならではの的確な回答を交えながら、手順を分かりやすく解説してまいります!

1.登録に必要なものリストと基本の手順

実際に私が登録してみて感じたのは、「銀行の口座開設よりずっと楽だよね」ということでした。資産証明や所得証明といった特殊な書類は必要なく、以下の3点があれば登録できます。

準備するもの

  • メールアドレス
    新着ファンドの案内が届く最重要ツールです。
  • 本人確認書類
    運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真付きのもの1点。
  • 銀行口座の情報がわかるもの
    キャッシュカードや通帳など。

基本ステップ

  • サイトのフォームに基本情報(氏名・住所・年収など)を入力する
  • 口座情報を入力し、画像をアップロードする
  • 利用規約などの重要書面を確認・同意する
  • 本人確認書類を提出する
新規会員登録の入口画面のイメージ(メールアドレスとパスワードを入力)

2.会員登録で入力・確認を求められる項目リスト

登録するファンドによって多少異なりますが、主に以下のような項目の入力・確認が求められます。これは、皆様の大切な資産を安全に管理するための確認事項です。

  • 基本情報
    お名前(氏名・フリガナ)、生年月日、性別
  • 連絡先・住所
    住所、電話番号、メールアドレス
  • 投資適合性(職業・資産・投資経験)
    職業、年収、主な収入源、金融資産の額、取引の目的、投資の経験
  • お取引口座(払い戻し用)
    金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義、口座情報の画像
  • 各種規約の確認・同意事項
    電子交付について、反社会的勢力に対する基本方針、個人情報の取扱いについて、サイト利用規約
  • 本人確認
    本人確認方法の選択、本人確認書類の提出、顔写真の撮影
投資家情報の入力画面のイメージ(氏名・生年月日・住所・職業・年収など)

3.会員登録でよくある「素朴な疑問」を解消!

登録画面を進めていくと、細かな質問や確認事項が出てきます。私が実際に迷った4つのポイントを、RCA事務局様に聞いてみました。

疑問①「取引目的」や「投資経験」はなぜ聞かれるの?

小林

投資をしたいから登録するのに、「目的は投資ですか?」と当たり前のことを聞かれると、なんだか身構えてしまいませんか?最初、「ここで投資と答えたらアウトなのかな…」なんて深読みしてしまい、5分ぐらい考えてしまいました(笑)。

RCA事務局

そこはご安心いただき、素直に「投資」とご回答いただいて問題ございません。取引目的や収入源の確認は、マネーロンダリング(資金洗浄)対策として「犯罪収益移転防止法(犯収法)」で各事業者に義務付けられております。また、投資経験や金融資産をお伺いするのは、万が一損失が出た際に生活を脅かさないよう「余剰資金での安全な投資かどうか」を確認する『適合性の原則』という投資家保護のルールに基づくものです。お酒をご購入いただく際の「未成年ではありません」の確認に似ておりますが、大切な審査基準となりますので正直にご入力をお願いいたします。

疑問② 銀行口座の画像は、ネットバンクの場合どうすればいい?

小林

銀行口座の画像提出についてですが、通帳があるなら「通帳の見開き」を出せばいいのは分かるのですが、通帳がないネットバンクを使っている時は何を出せばいいのでしょうか?

RCA事務局

事業者側が審査において確認を必須としているのは、「銀行名・支店番号・口座番号・口座名義(カタカナ)」の4点です。ネット銀行のアプリ画面ですと、これら4点が一つの画面に収まらないことが多いため、すべてが印字されている「キャッシュカードの表面」を撮影してアップロードしていただくのが最も確実でスムーズです。ただし、最近はキャッシュカードに印字がないタイプも増えておりますので、その場合は指定の4点が確認できるWeb画面のスクリーンショット等をご提出いただくことになります。

疑問③ 長い「規約の確認」は、全部読まないと不利益があるの?

小林

「電子交付について」「サイト利用規約」など、長い文章が何本も出てきて、「これは全部読まないと不利益があるの?さすがに読めないよ…」と思ってしまいました。いったいどういうことが書いてあるのでしょうか?ポイントを教えてくれますか。

RCA事務局

一言一句すべてを暗記するほど熟読していただく必要はございませんが、これらは法律によって事業者側に提示と同意取得が義務付けられている、投資家の皆様の権利を守るための重要な書面です。以下のポイントを中心にご確認いただくとよろしいかと存じます。

  • ① 電子交付について
    契約書や運用報告書などの重要な書面を、紙の郵送ではなく「Webサイト(マイページ)上でお渡しいたします」という取り決めです。これに同意いただかないとサービスをご利用いただけません。
  • ② 反社会的勢力に対する基本方針
    「反社会的勢力とは一切取引をいたしません」という会社側の宣言であり、皆様がそれに該当しないことをお約束いただくものです。
  • ③ 個人情報の取扱いについて
    皆様が提出された身分証や口座情報などを、どのように管理・利用するかを定めたものです。「新着ファンドのお知らせをメールでお送りするために利用します」といった目的が記載されています。不動産会社の場合、関係会社に情報を共有する旨が記載されていることもございます。
  • ④ サイト利用規約
    「IDやパスワードを他人に貸さない」「虚偽の情報を登録しない」といった、サービスを利用する上での基本的なルールが記載されております。

もし「規約の確認」がないサイトがあったら…?

裏を返せば、不動産クラウドファンディングは「不動産特定共同事業法(不特法)」という厳しい法律の下で運営されているため、面倒な手続きをしっかりと要求してくることが「国の法令を遵守している事業者」の何よりの証明となります。逆に、規約の確認もなく名前とメールアドレスだけで手軽に投資できるようなサイトは、無許可の違法業者や詐欺サイトの可能性が高く大変危険です。「面倒くさい」と感じる手続きがあるからこそ、皆様の大切な資産と個人情報が法的に守られております。

疑問④ 「電話番号を登録したら、しつこい営業電話がかかってくるのでは…?」

小林

投資未経験の私にとって、これが一番気になる不安でした。登録した途端に営業の電話が何度もかかってきたり、訪問されたりするイメージがあったんです。

RCA事務局

結論から申し上げますと、しつこい電話勧誘や突然の訪問営業が行われることは、まずありません。不動産クラウドファンディングは、ファンド選びから契約までWeb上で完結する「非対面取引(電子取引)」の仕組みです。ご登録いただいた電話番号は、ログイン時の本人認証(2段階認証)や、万が一の口座トラブル時の緊急連絡先としてのみ使用されます。また、法令や行政の監督指針においても、利用者が迷惑を覚えるような無理な電話勧誘は厳しく制限されておりますのでご安心ください。新着ファンドのご案内等は原則メールで届きます。

小林

なるほど。それなら安心ですね!確かに、今のところ私のところには電話は一切かかってきていません。ただ、スマホの画面を見ていると、他のクラウドファンディングやワンルーム不動産投資のWeb広告がよく出てくるようになりました。最近のWeb広告は本当によくできていますね(笑)。

色々教えていただき、ありがとうございました。これでスッキリしました。協会様の方から、登録やこれから不動産クラウドファンディングを始める方にアドバイスはありますか。

4.本人確認は「オンライン(eKYC)」がおすすめ!

本人確認方法の選択画面のイメージ(オンライン/郵送の選択)
RCA事務局

本人確認にはいくつか方法がありますが、スマホのカメラで身分証と自分の顔を撮影する方法なら、ハガキの郵送を待つ必要がなく手軽に完了しますので、おすすめです。

本人確認書類の登録画面のイメージ(書類の撮影・アップロード)

オンライン本人確認をスムーズに終わらせる撮影のコツ

  • 明るい部屋で撮影する
    光の反射で文字が消えると再撮影(審査落ち)の原因になります。
  • スマホを机に置いた状態で身分証を斜めにする
    厚み(側面)の撮影指示が出た際、手ブレを防げます。
  • 手続きの途中でブラウザを閉じない
    別のアプリを開いたり画面を閉じたりすると最初からやり直しになる場合があるため、まとまった時間で対応しましょう。

【2027年4月から、本人確認のやり方が変わります】

小林

そういえば、本人確認のルールが変わるという話を聞いたのですが、本当ですか?

RCA事務局

はい。マネーロンダリング対策の強化にともない、2027年4月1日から、オンライン本人確認のやり方が変わります。書類の偽造による、なりすましを防ぐための改正です。

今主流になっている「本人確認書類を撮影して、その画像を送る方法」は廃止され、これからはマイナンバーカードや運転免許証のICチップをスマホで読み取る方法が基本になります。スマートフォンに搭載したマイナンバーカードを使う方法も、新たに認められました。

小林

えっ。それだと、マイナンバーカードやICチップに対応したスマホを持っていない人は、投資を始められなくなってしまうのでしょうか。

RCA事務局

いいえ、そこはご安心ください。そうした方のために、住民票の写しなどの「原本」を郵送する方法も残されています。オンラインで完結する方法が使えない場合でも、登録の道は用意されていますので、ご自分に合った方法をお選びいただけます。

小林

もう会員登録を済ませている場合は、あらためて手続きをやり直す必要がありますか?

RCA事務局

その必要はありません。改正前に本人確認を済ませている方について、あらためて確認をやり直すことは求められていません。すでにお取引のある方は、これまでどおりご利用いただけます。

これから登録される方も、今のやり方で手続きしていただいて問題ありません。2027年4月以降に登録される場合は、方法が変わっているとお考えいただければ十分です。

5.投資を始める前に知っておきたい4つの注意点

RCA事務局

無事に審査が完了しマイページが開設されたら、いよいよファンド選びと応募へ進みます。実際に投資のボタンを押す前に、不動産クラウドファンディングを始める前に知っておいてほしい4つの注意点があります。

  • ① 運用期間中はお金を引き出せません(中途解約不可)
    実物不動産を裏付けとするため、途中でキャンセルして現金化することは原則できません(※契約完了後8日以内のクーリング・オフ期間を除く)。当面使う予定のない「余剰資金」で運用をしてください。
  • ② 元本保証はありません
    一部のファンドでは事業者が損失を先に負担する「優先劣後構造」などのセーフティネットが整えられていますが、元本が100%保証されているわけではありません。
  • ③ 分配金は「雑所得」として課税されます
    得られた分配金は雑所得(総合課税)となり、あらかじめ20.42%が源泉徴収された状態でお手元の口座へ振り込まれます。年間の雑所得の合計額によっては確定申告が必要になる場合があります。
  • ④ 終了が延期(運用延長)することがあります
    運用している不動産が上手く売れなかったり、「もう少し待てば高く売れる期待がある」といった場合、1ヶ月前などに連絡があり運用が延長されることがあります。出資金はそのまま運用され利回りも入ってきますが、終了予定日に絶対必要なお金であれば困ってしまいます。ケースとして可能性があることは知っておいたほうがいいです。
小林

事務局の皆様、詳しく教えていただき大変勉強になりました!ありがとうございます。次回は、いよいよマイページに入ってみますので、実際のファンド選びについてまた教えてください!

まとめ:不動産クラウドファンディングの始め方(登録編)

今回は、登録手続きの流れと「なぜそのような手続きが必要なのか」についてご紹介しました。面倒に思える手続きも、すべては投資家の皆様の資産を不正やトラブルから守るための重要なプロセスです。

ここで言われるがままに登録せず、「きちんと説明する意識がある会社かどうか」を確認しておかないと、情報をちゃんと出してくれない事業者に引っ掛かる可能性があります。

当協会(RCA)では、広告のイメージに惑わされず、客観的な実績データに基づいて事業者を選べるよう、公式データベース「RCDB」を公開しております。また、募集画面にきちんと情報を載せてもらうため「募集広告チェックリスト」をつくり、透明性がある事業者のみが入会できる仕組みとしています。

初めての投資家登録を行う前に、ぜひ当協会のデータベース(RCDB)で事業者の過去の運用実績(元本割れや遅延がないか等)をご確認いただき、安心・納得のいく資産形成の第一歩を踏み出してください。

この記事の監修者・執筆者

この記事の監修者

監修者:竹馬由夏(不動産クラウドファンディング協会(RCA)運営委員長)

2005年より不動産鑑定、不動産私募ファンドなどに従事し、2019年より不動産クラウドファンディング業務を行う。不動産特定共同事業における免許申請や案件組成だけでなくマーケティングなど全体業務を経験後、クリアル株式会社にて協会運営に携わる。
個人的には多くの不動産クラウドファンディングにも投資中。宅建士・証券化マスター・ビル経営管理士・FP保有 不動産特定共同事業者協議会(FTKK)市場普及委員長

この記事の執筆者

執筆者:小林祐司(HP運用担当)

投資初心者。協会ウェブサイトの運用を担当するなかで不動産クラウドファンディングを知り、優先劣後出資をはじめとする投資家保護の仕組みに興味を持つ。「一度投資したら待つだけ」という性質が初心者向きだと感じ、協会の皆様にアドバイスをいただきながら、初めての投資に挑戦中。つまずいたところ、分かりにくかったところを、初心者の目線からそのままお伝えしていきます。

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